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コラム

知財風土記

第27回 
「隠岐の島」

 コロナ禍で国内外の移動は不自由になったが、そのため利用客が落ち込んで減益にあえぐ旅行社と航空会社が手を結んで、うまい企画を考えてくれた。首都圏から隠岐の島に行くには、普通いくつかの乗り物を乗り継いでかなりの時間が必要なところ、両者が直行のチャーター便を仕立てて羽田から隠岐まで1時間で行けるツアーが実現。その客となり、10月の末、朝発って昼には現地を回る観光バスに乗ることができた。
 日本列島は2600万年前、大陸の一部だったところが分離し、間に日本海が形成される。そこに大規模な火山活動が起こって海底から隆起したのが隠岐諸島だという。このため大陸にも日本列島にも近い地の利を得た。
国賀海岸の風景  西ノ島、島前、島後、など、いくつかの島で構成され、北部の日本海側は荒波の浸食がすすむ。国賀海岸や浄土ヶ浦海岸は、ローソク島という垂直の奇岩をはじめ、切り立った摩天崖やいくつもの海食洞が連なる景勝地だ。大山隠岐国立公園の目玉で、遊覧船からは火山活動の痕跡や、幾層にも連なった色鮮やかな地層を見ることができる。また、草地には、放牧の牛や馬もいる。かつては牛馬を活用して、独特の牧畑が行われていた。麦、豆、ヒエ、アワなどを輪作するもので、800年以上の歴史があり、その名残の石垣が残されている。
島前神楽の一場面  大陸から近いため、文化の到来も早かった。今日に伝承されている三拍子系のリズムの島前神楽は、どことなく中国や朝鮮の匂いがする。隠岐には古い由緒ある神社が多く、舞楽、伎楽、神楽や、能に連なる田楽のいくつかが保存されていて、祭礼に奉納されるほか、国の重要文化財にもなっている。
 ところで隠岐は、古来、流人の地とされてきた。本土から適度の距離を保ち、農業、漁業で人を養う力があったこととも関係しているのだろう。武家政権の鎌倉幕府から天皇に実権を取り戻そうとした後鳥羽天皇や後醍醐天皇の例が名高いが、流人は近世に至るまで続いた。その当時の後鳥羽天皇を慰めるために始まったとされるのが、綱取と呼ばれる役の人に導かれた牛同士が角を突き合わせて戦う牛突きだ。それを見せる専用のドームもあり、力のこもった争いを見ることができた。強い牛にするためには、山肌に角を突き立て、角掘りという訓練もさせるという。
牛突きの戦い  隠岐にはまた、古代の国分寺も置かれていた。発掘調査で国分寺の瓦が見つかっている。仏教、寺院建築、瓦造りの技術も、朝鮮半島から伝わったのだろう。
 寺社を回りながら、いくつかに土俵が設けられているのに気付いた。付近の入り江にイカが押し寄せるという漁業の神様、由良比女神社や、隠岐造りの本殿が見どころの玉若酢命神社には相撲の奉納を目的とした土俵があり、実際、その興行が行われることもある。また、隠岐出身の力士もいる。
 隠岐の島は、陸と周辺の海を含めて大地、生態系、人の営みのつながりを見せるユネスコ世界ジオパークを構成している。いわば大地の公園だ。海岸の絶景や、色の鮮やかな地層の地理的資源に加えて、植生では北方系、南方系、大陸系、また離島特有の生物種が混在している。さらに人間の営みと文化など、観光資源が多い。島後と呼ばれる最も大きい島に置かれた隠岐自然館が、その有様を手際よく見せてくれる。
 観光資源は立派な知的財産だ。隠岐はこの財産を、今後もうまく活用していくことだろう。
 (2021.12)

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